1. 地震発生前の準備
南海トラフ地震は、規模が非常に大きく、広範囲に甚大な被害をもたらす可能性があるとされています。そのため、事前の準備が生死を分ける重要なポイントになります。
避難場所の確認
まず、日頃から自宅や職場、学校の周囲にある避難場所を確認しておきましょう。地震発生時に慌てずに避難できるよう、避難経路や避難場所を家族や同僚と共有しておくことが重要です。
非常用持ち出し袋の準備
非常用持ち出し袋には、最低3日分の食料や水、応急処置キット、懐中電灯、バッテリー、現金、重要書類のコピーなどを入れておきましょう。特に携帯電話のバッテリーは命綱となり得るため、充電式のバッテリーパックや手回し式充電器を準備しておくと安心です。
家具の固定と安全確保
家具や家電製品は転倒防止のためにしっかりと固定しておきます。特に寝室では、寝ている間に家具が倒れてくることを防ぐために、ベッドの周囲に危険なものを置かないようにしましょう。
2. 地震が発生した瞬間の行動
地震が発生した瞬間の対応は、限られた時間の中でいかに冷静に行動できるかが鍵となります。
まず身を守る
強い揺れを感じたら、まず身を守ることが最優先です。テーブルの下に隠れて頭を守り、身を低くして体を小さくまとめます。もしテーブルがない場合は、座布団やクッションなどで頭を保護し、ガラスの破片や落下物から身を守るために窓から離れてください。
火を消す
揺れが収まった後、火を使っている場合は、速やかに火を消します。ガスコンロや暖房器具のスイッチを切り、火災の発生を防ぎましょう。
避難の準備
揺れが収まったら、すぐに避難できるように準備をします。非常用持ち出し袋を持ち、家族や同居人と声をかけあい、安全を確認します。余震が続く可能性があるため、すぐに外に出るのではなく、状況を確認しつつ冷静に行動します。
3. 地震後の対応
南海トラフ地震では、津波の発生が予測されています。特に沿岸部にいる場合は、津波から逃れるための迅速な行動が求められます。
津波警報に注意
地震後すぐに、テレビやラジオ、携帯電話の緊急速報で津波警報を確認します。警報が発令された場合は、ためらわずに高台や指定の避難場所に移動してください。津波は地震の揺れが収まった数分後から襲来する可能性があり、時間との戦いです。
避難時の注意点
避難時には、なるべく自動車を使用せず、徒歩や自転車で移動しましょう。道路が混雑すると避難が遅れる原因となります。また、避難する際は、電柱や看板、建物の倒壊に注意し、安全を最優先に行動してください。
余震に備える
大きな地震の後には、強い余震が続く可能性があります。余震に備えて、再び安全な場所に移動するか、建物内であれば安全な場所で待機しましょう。
正確な情報を得る
地震発生後は、デマや噂が広がりやすい状況です。必ず信頼できる情報源から正確な情報を得るようにしましょう。自治体の発表や公共放送などを確認し、正しい判断に基づいて行動してください。
4. 長期的な備えと心構え
南海トラフ地震は、一度の揺れで終わるものではなく、長期間にわたって影響を及ぼす可能性があります。地震後のライフラインの断絶に備え、以下のような準備も考えておきましょう。
水や食料の備蓄
長期にわたる停電や断水に備え、最低でも1週間分の水や食料を備蓄しておきましょう。缶詰やレトルト食品など、保存がきくものを中心に準備し、定期的に賞味期限を確認しておくことが大切です。
地域コミュニティとの連携
地震後は、地域コミュニティとの連携が非常に重要になります。近所の人たちと連携し、お互いの安否確認や助け合いができるよう、日頃から顔見知りになっておくと良いでしょう。
心のケア
大地震の後には、心的外傷(トラウマ)を抱えることも少なくありません。精神的なケアも重要であり、自分や家族の心の健康に気を配ることが必要です。必要に応じて、専門のカウンセリングや支援を受けることも考えてください。